持続可能な未来への一歩：FSC認証とは
2023/11/13
前回の記事で当社が提供するエコペーパーについてご紹介しましたが、その際に「FSC」という言葉を多く目にしたと思います。今日、私たちが直面している環境問題への積極的な取り組みを象徴しています。FSC認証は、森林破壊や違法伐採を抑制し、持続可能な森林管理の実践を促進するための国際的なシステムです。今回は、よく見かけるこのFSCのご紹介です。
FSCとは
FSC認証制度とは、森林管理が環境的に適切で、社会的に有益で、経済的に実行可能な方法で行われていることを証明するための国際的な認証システムです。FSC®は「Forest Stewardship Council（森林管理協議会）」の略称で、持続可能な森林管理を推進する非営利組織によって設立されました。
FSCの基準に従って管理されている森林から得られた木材や紙などの製品には、FSCのマークが付けることができます。このマークがあることによって、製品が環境に配慮した方法で生産されたものであると消費者に伝えることができます。
背景
1980年代から欧米では森林破壊が問題視されており、熱帯木材の不買運動が起こっていました。たとえ正しく管理された森林から作られた製品であっても熱帯原産というだけで買ってもらえない状況になり、環境破壊・違法伐採とは区別できるラベルのニーズが高まってました。そのような背景から、1994年にFSCは設立されました。
2つの認証
FSC認証はFM認証とCoC認証の2つの主要な部分から成り立っています。まず、FM認証は「Forest Management」を意味し、これは森林がFSCが定める次の10の原則と70の基準に沿って適切に管理されていることを証明します。例えば、この認証を受けた森林では、適切な伐採技術が用いられ、生態系の保全が重視されています。
一方で、CoC認証は「Chain of Custody」のことで、製品が原材料の状態から消費者に届くまでのすべての過程で、FSC認証材料と非認証材料が混在しないように管理されていることを保証します。たとえば、あなたが手に取るエコペーパーがFSC認証を受けている場合、その紙が森林からあなたの手元に届くまでの全工程で、持続可能な資源利用の基準に沿って製造・取引されていることが保証されているのです。
この厳格なプロセスを経て初めて、製品には信頼の証であるFSCのマークが付けることができます。消費者としては、このマークを通じて、環境に対して責任ある選択をしているという安心感を得られるのです。
10の原則
FSC森林管理の10原則 (FSC-STD-01-001第5版)：
1. 法律の順守: 森林管理や取引に関する国内法や国際条約が守られているか？
2. 労働者の権利と労働環境：労働者の権利や安全は守られているか？
3. 先住民の権利：先住民の権利は侵害されていないか？
4. 地域社会との関係：地域社会と連携し、よい関係を築いているか？
5. 森林のもたらす便益：森林の多面的な機能が考慮されているか？
6. 環境価値と環境への影響：環境への影響は評価され、環境が守られているか？
7. 管理計画：きちんとしたデータや情報に基づく計画がされているか？
8. モニタリングと評価：環境や社会への影響がモニタリングされ、負の影響が抑えられているか？
9. 高い保護価値：森林の生態的、社会的に高い保護価値は守られているか？
10. 管理活動の実施：管理活動は計画通りに行われているか？
この他にも70の基準と200ほどの指標があり、この規格に沿って審査を通らなければFM認証が受けられません。FM認証（FM国内規格策定）
FSCの製品種類
FSCには数多くの製品があります。木材、印刷用紙、家具、ドリンクやお菓子のパッケージなど、さまざまなものがあります。これらの製品にはFSCのロゴが表示されており、消費者が持続可能な選択をしていることを保証します。
選択することで繋がる社会貢献
FSC認証製品を選択することは、環境保護、社会的な責任、経済的な利益を提供する持続可能な森林管理をサポートする行動です。これにより、生物多様性の保全、気候変動への対応、地域コミュニティへの貢献に繋がります。
福田印刷ではFSC認証紙を数多く取り扱っています。お気軽にお問い合わせください。